ナナも拓もチューなんてしてくれないし、顔を舐めたりもしない。
ニイナちゃんにチュッてされるのが嬉しくて、私もニイナちゃんに顔を近づけて
チュッってしてしまう。
でも時々、チュッてしてくれるかと思いきや
直前に思いっきり鼻に皺を寄せて、唇をガブッと食われる時があります。

または、チュッてしてくれるかと思いきや
顔を前足で、思いっきりガリガリガリガリッーとされる時があります。
今日は、ガリガリガリガリッーとされました。
そしたら、何だか可笑しくて可笑しくて
久しぶりに、声をあげてお腹の底から笑った。

夜の散歩のとき、近くの公園でサッカーをしている少年達がいて
ニイナちゃんはパニックになった。
散歩コースを変えて、いつもより長い散歩をして戻ると
ニイナちゃんはすっかり落ち着いて、マンションの中に入ったとたんに
急に強気になってテンションが上がった。
階段で抱っこしようとする私から逃げて、鼻に皺を寄せて
猫のようにシャーシャー言っている。
可愛くて、可愛くて、そんな時でも口元が緩む。
もう何をしても可愛くて、何をされても笑ってしまうダメな飼い主。
見かねた拓さんが、ニイナちゃんを叱ってくれました。
夜という事を配慮してか、ニイナの耳元で小さい声で「ガウッ」って。
そんな拓さんが、愛おしくて愛おしくて、また私は笑った。

今日お腹の底から笑った時、こんな風に笑ったのがすごく久しぶりな事に気がついた。
笑った後、ナナの得意げな顔を思い出した。
ナナは私が笑うと得意げな顔で私を見て、自分も嬉しそうにはしゃいだ。
またあの頃と同じように、笑えるようになったのかもしれない。
ナナの得意げな顔に会えるといいな、明日もお腹の底から笑おうと思った。