出かける用意をしていると、ニイナちゃんがそわそわニコニコしている。
実は、父ちゃんが留守だった時に連れて行ったので、一緒に行けると思ったようだ

無邪気にまとわりつくニイナちゃんを、連れて行こうか?と迷ったが
昨日は暑かったので、家に置いて行った。
父ちゃんの話では、私が出かけた後、かなりがっかりしていたそうだ。
なので、今日はラッパンドッグに行きました。

見た目には分りにくいが、ニイナちゃんはお出かけが好きなのだ。
外を歩くのは怖いが、お出かけは好きというニイナちゃんの必需品は車だ。
ニイナちゃんにとって、歩かずに目的地に着く車は「どこでもドア」なのかもしれない。

見た目には分りにくいが、ニイナちゃんは車に乗るのが好きなのだ。

見た目どおり、期待に胸が膨らむ拓さん。

そして見た目には分りにくいが、ニイナちゃんはカフェも大好きなのだ。

そして見た目どおり、期待に胸が膨らむ拓さん。
たらふく食べて、拓さんもニイナちゃんもすっかりご機嫌になって・・・
でも、ご機嫌だったのは拓さんとニイナちゃんだけではなかったようで
夜の散歩。
いつものようにみんなで歩いて、そろそろ帰ろうという時
突然、ニイナちゃんがもっと歩きたいと言い出した。
拓さんに「先に帰っていいよ」と言い、ニイナちゃんの後を付いていくと
いつもとは少し様子が違って、堂々としている。
シッポをゆらゆらと揺らしながら、今までは決して行けなかった道を歩き
初めてとは思えぬ足取りで、ある場所で、左右を確認してから道路を渡りました。
そこは、ナナと二人で散歩をしている時、あることがあり歩けなかった小道がある場所でした。
あの時と、同じ道順。
あの時、左右を確認してから道路を渡ったナナさん。
その場所は、豪邸が建つ一角で、その道はその豪邸に住む人達のための私道です。
その日、ナナに連れられてその道を歩いていると、若いご婦人に声をかけられました。
「その先は、行き止まりですよ!」
私道に入ってきた私を咎めるような口調に、慌てて引き返そうとする私と
そのご婦人を睨みつけるナナさん。
ナナの顔を見たとき、「あぁ、この人は嘘をついている」と思いました。
その時は知らなかったのですが、実際は、その少し先に公道に出られる小道があったのです。
ナナは、父ちゃんとの散歩でよくその小道を歩いたいたと後で聞きました。
頑として引き返そうとしないナナを、引っ張るようにして帰り
「ナナは正しいよ、あの人嘘をついてるね」「お金持ちなのにケチだね」と言ったのを覚えています。
それきり、ナナとその道を歩く事はないまま、ナナは死んでしまいました。

道を渡ったニイナは、堂々とした足取りのままあの日の道を進み
声をかけてきたご婦人の家の前を通り過ぎ、私を小道まで連れてゆくと
私の顔を見上げて「ね、小道あったでしょ?」と言うように得意げな顔をしました。
「うん、小道あったね。ナナは正しかったね」
小道を抜けると、雨が降ってきました。
「ニイナ、雨が降ってきたから帰ろう」と声をかけると
ニイナが、ハッと我に返ったような顔をして、キョロキョロと周りを見渡して
おどおどし始めました。
やっぱりナナだったのか。(笑
ニイナは、初めての場所に戸惑ってどっちに進んでいいのか分らなくなっています。
「ニイナ、こっちこっち」と声をかけながら、急いで帰りました。
家に着いて時計を見ると、もう11時。
ニイナも私もびしょぬれでした。
ラッパンドッグは、ナナさんが初めて入ったドッグカフェで大好きなお店でした。
ラッパンに行くと、1週間はご機嫌で聞き分けのよい良い子になりました。
今日も、大好物だったミートローフカードを沢山食べて、ご機嫌になったのだと思います。
ナナちゃん、また一緒に行こうね♪