ナナさんが死んでから、1度も使うことなく
ずっと玄関に鎮座していた、ナナさんの思い出の沢山つまったカートです。

大きくて、とても邪魔だったのだけれど
物は物であり、それを捨てたからと言って思い出が消える訳じゃないけれど
いざ無くなってみると、少し寂しい。

ナナさん、似合ってたな。

拓さんと二人でも乗ったよね。

ナナさんが、あっちに行って今年で7年が過ぎて・・・
少し、感じ方が変わってきたというか、執着する心が解放されてきたというか、
ぎゅっと何かを掴んでいた手を少しずつ開くような、開かなきゃいけないような気がして
心のどこかで「もう解放してあげなさい」 「手を放してあげなさい」 って
自分の中のどこかで、誰かが、自分かもしれないけど、誰かがそう言っていて・・・
自分でも以外だったんだけど、このカートを捨てるとき
今まで物を捨てるのは、全然平気だったんだけど
何故だかわからないけど、ナナの思い出が溢れて来て
少しの間、涙が止まらなくなってしまった。
特に思い出の品ってわけじゃないんだけどな。
身に着けていた物とか捨てるときは平気だったのに、なんだろなー。
んで、気分転換にソファーの組み換えをしてみたりした。
肘掛のあるやつ奥に押し込んで、見晴らしを良くしてみた。

ソファーの位置を変えると、ナナさん怒ったんだよな(笑
このソファーは、ナナさんのお気に入りで
これだけは、絶対に捨てられそうもないな。

母がそんなことになって泣いていることも知らず
拓さんとニイナちゃんは、今日も元気です。